2018 1Jan.

変わりゆく首都の風景

ソフィア市の目抜き通りとして知られる「ヴィトシャ大通り」を歩いていると、途中で鉄の仮設壁が目に入ります。そこには「地下鉄工事」の表示が。実はここだけでなく首都ソフィア市内はどこでも建設、工事、修理中となっていて不便が続いています。

地下鉄3号線の工事は2015年から続いています。今年2018年の前半ブルガリアがEU会議の議長国になり、西バルカンサミットをはじめいろいろな会議のホストになるため、今まで「お金もないし、使えるし、何とかもたせればいい」と半ば放置してあった古い施設や道路を急に直し始めたようです。でもとりあえず目立つところから、ということで大通りや人通りの多い市場の通り沿いを工事して、どうにか2018年を前に、見た目を改善するのには間に合いそうな様子です。ソフィアで一番大きな市場であり、観光ガイドブックにも出てくる「ジェンスキー・パザール」も改装されてきれいになっていますし、新しいバスや電車も運行しています。

また、ブルガリアの古い住居棟の住環境について、外壁に断熱材を貼って塗り直すことにより外観を綺麗にすると同時に保温性向上するための支援金がEUから出ていて、きちんと工事がなされているのか査察が入るため、そのような工事がたくさん行われたのだとも言われています。

住んでいる人からすれば、壊れそうな汚くて古い建物が新しくきれいに見え、壁の崩落などの危険が減るのは大歓迎です。また古い平屋の建物が高層住宅になってソフィアの慢性的な住居不足を解消できるかもしれません。でも古い所を安く借りて大通り沿いでお店を開いていた商店主たちにとって、家賃が間違いなく上がる新店舗に移るのはつらいのだそうです。売上が倍増するわけではないですものね。

久しぶりにソフィアを訪れたお客さんには「ソフィアがきれいになった」と高評価ですが昔からソフィアに住む「ソフィアンツィ」(=ソフィアっ子)はどう思うのでしょうか。昔と自分の故郷が変わってしまうのをいくらかさびしく感じているかもしれませんね。


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