2019 7Jul.

ブルガリアのスイーツ、家庭の味

ブルガリアの伝統料理が食べられるレストランでは、あまりスイーツのメニューがないので、がっかりされるかもしれません。ブルガリア人は「甘いものを食べないのかな」と思うかもしれませんが、そんなことはありません。ブルガリア人はみんな甘いものが大好きです。ただ、レストランのメニューにスイーツが少ないのは、ブルガリアの伝統的なスイーツは家庭で作って食べているからです。

ブルガリア人に大豆を使ったスイーツ(例えば小豆を使った和菓子で、どら焼き・たい焼きなどのあんこが入ったもの)を食べてもらうと、“ありえない”と驚かれます。なぜなら、日本人が白いご飯を甘くしてスイーツとして食べないのと同じ感覚で豆を甘くして食べないからです。逆に日本人が、“ありえない”と驚く「ブルガリアの家庭で作られている伝統的なスイーツ」を3つご紹介します。

1つ目は、「ムリャコ・ス・オリス」。これは「お米・牛乳」という意味で、材料はお米・牛乳・砂糖・水です。作り方は、お米を茹でて、牛乳を加えて少し煮込み、お好みの量の砂糖を入れて混ぜれば完成です。その上に、シナモンパウダーやカカオパウダーをかけて食べても美味しいです。米国や欧州では「ライス・プディング」と言われています。初めて食べた時は“イマイチ”と思ったのですが、何回も食べているうちにおはぎのような食感で、牛乳のほんのり甘い味にだんだん馴染んできて美味しく感じるようになりました。例えるとしたら、あんこが入っていない「クリームおはぎ」に近いと思います。

2つ目は、「マカロニナ・フルナ」。「オーブンで焼いたマカロニ」という意味です。材料は、マカロニ・牛乳・卵・バターです。作り方は、マカロニを茹でて水で洗い、牛乳と卵を混ぜた卵液をかけます。その上に、香りを引き立てるためにバターを塗り、お好みの量の砂糖をかけ、オーブンで焼いて出来上がりです。マカロニナ・フルナは「甘いグラタン」というイメージです。

上の2つは、シンプルな材料で作るので、素材の味や砂糖の量で出来上がりの味が変わり、毎回違う味がします。最初は、ご飯とマカロニが「甘い」ことに驚くかもしれませんが、何回か食べるうちにその魅力に惹かれると思います。

3つ目は、「アシュレ」というトルコから来た小麦を使ったスイーツです。最近友達に教わったもので、とても美味しかったのでここで紹介したいと思います。作り方は、小麦を茹でて、砕いたビスケットと砂糖を混ぜ合わせます。お好みで、クルミや干しブドウを混ぜ合わせ出来上がりです。小麦自体はそんなに味がないのですが、一緒に混ぜたビスケットのバターの味が効いています。また、小麦のプチプチとした感触が楽しめる新感覚のスイーツです。


  • ムリャコ・ス・オリス

  • マカロニナ・フルナ

  • アシュレに使う小麦

  • アシュレ

2019年記事一覧

ブルガリア通信TOP