2014 6Jun.

ブルガリアにある「モンタナ」

ブルガリアにあるのにブルガリアっぽくない「モンタナ」という名前の地方都市があります。私の世代のブルガリア人たちの時代には「ミハイロフグラッド」、さらに地元を良く知るご年配の方々によると、その前は「フェルディナンド」と呼ばれていたそうですが、古代ローマ時代の都市名「モンタネンシウム」がもっとも今の都市名に近いのかもしれません。でもモンタナなんてまるでアメリカみたいですね。

ここのところの経済危機でこのあたりはブルガリアでも最も平均収入の低いところになってしまい、かなりの人が西欧諸国に出稼ぎに出てしまいました。こう聞くと人々の生活は大変そうですが、悪いことばかりではないようです。

モンタナ市は美しい自然に囲まれています。市民の憩いの場になっているダム湖の周りには緑輝く丘が連なり、遠くにはまだ雪の帽子をかぶった山々が見えます。

この絶好のロケーションにレストランやホテルがありますが、首都ソフィアと違って人が少ないので、ゆったりと湖を眺められる最高の席にすぐに座れます。そして湖に向かう途中には「クレポスト」つまりローマ時代の遺跡があります。遊歩道やベンチも整備されているので、ちょっとした散歩にもってこいです。春からサマータイムに入ったブルガリアではこの時期でも夜8時まで明るく、たくさんの人たちが楽しそうに歩いていました。

ソフィア市からこの町へはペトロハン峠という標高1000メートルほどの山道を抜けていきます。モンタナは光あふれる春という感じだったのに峠道にはまだ積雪が見られました。でも標高が下がるにつれて木々が芽吹き全体が萌黄色になっていきます。道の途中にはミネラルウォーターの水源もあり、緑の草原の上空にはパラグライダーが悠然と舞っています。ここを通るときのお楽しみは途中のギンツィという小さな村でおばあちゃんたちが売る自家製の野菜や蜂蜜、そして羊の乳のヨーグルト。やっぱり新鮮な食材はおいしいとしみじみ思います。

これからドライブが楽しい季節です。次はどこに行こうかな?


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