2025.11
日本で秋といえば「芸術の秋」。音楽やアートを楽しみたくなる季節です。実は、海外では「芸術の秋」という言葉はなく、ブルガリアにもありません。日本独特の表現のようです。さて、今回は少し季節をさかのぼり、ブルガリアの夏の音楽フェスティバルを振り返ってご紹介したいと思います。
ブルガリア南西部、ピリン山脈の麓にある町バンスコでは、毎年8月に「バンスコ・ジャズフェスティバル」が行われます。1998年に始まったこのフェスは、今ではブルガリアを代表する音楽イベントのひとつになりました。国内外から集まったアーティストたちが、町の中心広場に設けられたステージで一週間、毎晩演奏を繰り広げます。伝統的なジャズからフュージョン、ブルースやラテンまでジャンルは幅広く、ジャズ好きはもちろん、普段あまり聴かない人でも自然と音楽に引き込まれてしまう魅力があります。ディズニーの曲をジャズアレンジで聴けるという、ちょっと意外な楽しみもありました。
入場は無料で、近くには屋台がずらりと並びます。ブルガリアの工芸品や食品、屋台飯やバーなどラインナップもさまざまです。夕暮れ時、石畳の道を抜けて広場に向かうと、すでに人が集まり、音楽とともに夜が始まります。あいにく私が行った日は少し雨が降っていたのですが、夏にもかかわらず涼しく、とても気持ちの良い気温になりました。観光客、地元の人、そして音楽ファンが肩を並べてジャズを楽しめるのが、このフェスの一番の魅力です。
昼間は山歩きや温泉で自然を満喫し、夜は広場でジャズの生演奏を聴くことができる、そんなぜいたくな一日を過ごせるのは、夏のバンスコならではです。
ブルガリアもだんだんと秋が深まり、夏のにぎやかなジャズフェスティバルが少し恋しくなります。
							バンスコの街からみた山の風景
							ライブ会場、まだ準備中
							たくさんの屋台が並んでいる
							ブルガリアのお土産としても人気のはちみつの屋台
							ライブが始まる前の会場
							ライブ中の様子