
2025.08
日本の食パンにはほんのりとした甘さがありますが、ブルガリアの主食用のパンは、小麦の風味がより強く、素朴な味わいが特徴です。その中で「コズナック(козунак, kozunak)」は、甘くリッチな風味を持つパンで、フランスの菓子パン「ブリオッシュ」にも似ており、日本人の口にもとても合うと思います。
コズナックが一番食べられる時期は、キリストの復活を祝う春のイースターです。イースターの時期には、スーパーで多くの種類のコズナックが山積みにされ、大量に売られています。プレーン以外にも、例えばレーズン入り、レーズンとナッツ入り、チョコ入り、そしてロクム (砂糖・デンプン・ナッツ類で作られた、トルコ伝統の菓子)入り、などがあります。
上に砂糖がかかっているものが多く、形もサイズもさまざまです。ヨーロッパのほかの国にも似たようなパンはありますが、ブルガリアのコズナックはレモンとバニラが入っており、軽くふわふわとした食感が特徴です。
工場で大量に生産されるコズナックは、一年中スーパーで手に入るため便利なのですが、個人経営の店で売られている手作りのものはより一層おいしいと耳にしました。そこで個人経営の店を探してみましたが、残念ながら私が住んでいるブラゴエフグラッドでは見つけられず、自分で手作りすることにしました。 スーパーでコズナック専用の小麦粉を購入し、袋に書いてあるレシピ通りに材料をそろえました。 (材料:コズナック用の小麦粉、生イースト、牛乳、砂糖、塩、バター、油、卵、レモンの皮、バニラ、レーズン、クルミ)
朝、材料をこねて生地を作り、3〜4時間ごとにガス抜きをして発酵を4回繰り返し、棒状にした生地を三つ編みに成形して型に入れてまた寝かせ、やっと焼くことができたのは夜になってからでした。
さっそくブルガリア人の友人にも食べてもらうことに。友人いわく、「パンを裂いた時に、層があるのが良いコズナックの証拠」とのこと。私が作ったコズナックも層ができていたので成功です。バターをたくさん使うコズナックはお値段もカロリーも普通のパンより少し高めではありますが、それでもおいしさには代えられません。
スーパーで山積みになっているコズナック
コズナック用の小麦粉
コズナックの材料
生地を寝かせてガス抜きを繰り返しているところ
三つ編みに成形して寝かせているところ
焼き上がり(切ったところ)