2013 12Dec.

移動遊園地がやってきた

首都とはいえまだまだ野原のような広い土地がどこでも見られるソフィア市。そこに、ある日突然大きなトレーラーが何台もやって来ます。見ていると、若いお兄さんたちが出てきて手際よく何かを組み立て始めました。出来上がったのは移動遊園地の遊戯施設です。

移動遊園地は季節の良い頃にやって来ます。また「デン・ナ・グラダ」(町制記念日)のイベントとして町の中心部の広場で開かれることも多いようです。

アトラクションはメリーゴーランドやスリックカート、ちょっとしたジェットコースターから海賊船や逆バンジーのような絶叫できそうなものまでいろいろあります。そして移動遊園地の周りにはポップコーンや綿あめ、おみやげやおもちゃなどの露店を構える人たちもやって来ます。

この移動遊園地、野原といっても市場や大きなスーパーマーケット、時にはショッピングモールの駐車場など、人の集まるところのそばにやって来ます。そのため、これを一目見てしまった子供たちは一緒にいるパパ・ママにおねだりをしはじめます。1回の乗り物に乗ると2レバから4レバくらい。現在のレートで1レバは67円くらいですが、ブルガリアの親たちにとってこれは結構な金額になるので、ここで押し問答になることもあります。「マモ~(おかあさ~ん)!! いいでしょう?」「ダメよっ!! 晩ごはんの材料が買えなくなるでしょう!?」 そして時にはおねだりを聞き入れてもらえず泣き出す子供たちもいます。その様子を見ていると何だか子供のころを思い出して懐かしくなります。

日本の各地でよく見られるようなテーマパークがないブルガリアでは、移動遊園地は子供たちがとても楽しみにしてる娯楽のひとつです。移動した後はきれいさっぱり消えてしまうこれらの遊園地ですが、きっと子供たちの思い出にはしっかりと刻み込まれるのでしょう。


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