2023 2Feb.

「洞窟」という名の街と、
「白雪姫」という名の洞窟

ロドピ山脈の麓には多くの洞窟が点在し、「洞窟」という意味のペシュテラ(Пещера, Peshtera)という街があります。この街は、石器時代から人が住んでいた形跡があり、その後トラキア人の部族も住んでいたという、とても古い歴史のある場所です。
洞窟群の中で一番有名な洞窟はスネジャンカ(Снежанка, Snejanka)という名前で、「白雪姫」という意味があります。この洞窟からは、紀元前の鉄器時代の暖炉や動物の骨などが発掘され、またトラキア人が敵から身を守るための避難所として使われた形跡もあります。このことから、この洞窟は古代から人々に知られており、この街の名前の由来になったであろうと言われています。

スネジャンカ洞窟はコロナ前から行ってみたいと思っていた場所で、今回やっと願いが叶い、友人と車を走らせました。駐車場からスネジャンカ洞窟までは、山の傾斜を登っていく散策コースがつくられています。ブルガリア語で「息を深く吸って!」や、「あともう少し!」などの励ましの言葉が書かれた看板があちこちにあり、30分くらいの道を休憩しながら楽しんで登ることができました。

洞窟内は、1年を通して8.5度を保っていて湿度は98%もあるそうです。一年中訪れることができ、ツアーガイドさんが案内をしてくれます(現在はブルガリア語のみでの対応)。内部は6つのホールで構成されていますが、旅行者には4つのホールまでが解放されています。急な階段や狭い通路、濡れて滑りやすい地面と大変な一面もありましたが、さまざまな形をした大きな鍾乳石がたくさんあり、今でも成長し続けているのを間近で見ることができてとても興味深かったです。

大広間と呼ばれる場所は長さと幅がそれぞれ60mと48mあり、天井までの高さは18m。その巨大な空間に圧倒されました。ガイドさんが、レーザーポインターと懐中電灯で石を照らしながら名前を紹介し、最奥のホールでは洞窟の名前の由来にもなっている白雪姫に見える石も紹介されました。しかし、私の想像力がないからか、石と名前の関係を何も理解できず、一つも覚えられませんでした……。

洞窟の帰り道にはバタク(Батак, Batak)という貯水湖にも訪れました。リゾート地やキャンプ場が隣に建てられ、漁師だけでなく、観光客も訪れる人気のスポットです。私たちもここで散策を楽しむことができました。ブルガリア人は散歩が趣味の人が多いので、いい散歩スポットがたくさんあります。


  • 洞窟までの散策コースにある
    「あともう少し!」のサイン

  • 洞窟の入り口

  • 洞窟内

  • この日のツアー参加者は20人くらい

  • 奥が洞窟の名前の由来となった石のある場所

  • バタク貯水湖

2023年記事一覧

ブルガリア通信TOP