2025 9Sep

フラミンゴが越冬するピンク色の湖

2025.09

昨年、ブルガリアのビーチでフラミンゴのV字飛行を見て、ヨーロッパにも野生のフラミンゴがいることを知りました。調べてみると、アタナソフスコ(Атанасовско, Atanasovsko)湖にフラミンゴが棲み始めたことがわかりました。以前は渡り鳥として飛来していましたが、昨年から越冬するようになったそうです。今年は数千羽が訪れていました。

この湖は黒海沿いの都市・ブルガスの隣に位置し、潟湖(せきこ※湾口に発達した砂州などにより外海と切り離されて生じた浅い湖)であり塩湖でもあります。湖には「ルガタ(Лугата, Lugata)」という場所があり、入場料を払うと湖の湖面に浮かぶことができたり、草地で泥パックを体験したりできます。泥はかなり強い異臭がありますが、筋肉や関節の疾患、神経痛、皮膚疾患に効果があるとされており、私も服から肌が出ている部分にだけ塗ってみました。刺激が強いため、顔には塗らない方がよさそうです。また、空腹時や飲酒後は入浴を避け、高血圧や心臓疾患のある人も注意が必要と書かれていました。

湖は赤〜赤みがかったピンク色で、青空との対比がとても美しい景色を作り出しています。湖にぷかぷかと浮かびながら、遠くにブルガスの集合団地を見ることができました。最長で30分まで浸かることができ、その後、隣のビーチで塩を流せます。湖の塩分濃度は海水の5〜10倍もあり、海水の方が逆にしょっぱく感じないほどです。この赤みがかったピンク色は、高塩分環境で繁殖する藻類「ドナリエラ・サリナ」やハロバクテリア(高度好塩菌)によるもので、これらの生物が作るカロテノイド色素はフラミンゴの羽のピンク色のもとにもなっています。

湖の北西部、市街地側にはバードウォッチングスポットがあります。野生の鳥なので、双眼鏡がないとフラミンゴをはっきり見るのは難しいですが、遠くに薄いピンク色の大きな鳥が多数湖にいるのを観察できました。この地域に生息する野生の鳥を紹介する看板には、それぞれの鳥のイラストが描かれ、しかもマグネット形式になっています。マグネットをずらすと、その鳥の巣のイラストが出現。凝った仕組みになっていて面白かったです。


  • ルガタの入口

  • 泥パックをしているところ

  • 塩湖に入って楽しむ人々

  • 湖の水底をすくってみると大きな粒の塩

  • 野鳥を説明するボード。鳥のイラスト部分がマグネットになっていて、動かすと下に巣の絵が出てくる

  • バードウォッチングスポットからの眺め

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