多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!
第110回目はロシア連邦です。ユーラシア大陸の北半分を占める、国土面積世界一を誇る国です。今月はロシア南部、アストラハン出身のユーリアさんに、ヨーグルトを使った料理を教えていただきました。
ロシアの文芸雑誌で小説を執筆しています。最近、私の中編小説が国際文学賞「ロシア賞」の候補に選ばれました。現在、明治時代を舞台にした日本風のミステリー小説の執筆に取り組んでおり、日本での出版を目指しています!
私は幼い頃から異なる文化にとても強い興味がありました。学生時代はモスクワ国立大学でジャーナリズムを学び、大学院で博士課程に進みました。その頃から日本という国に深い関心が芽生え、文化やビジネスコミュニケーションの研究に没頭していきました。卒業後はロシアのラジオ会社に勤務し、ラジオパーソナリティとして番組を持っていました。やがてロシア企業と日本企業を結ぶ活動などを行うようになり、2010年に来日。日本とロシアの橋渡しを軸に、執筆活動を続けています。
アストラハンはアストラハン州の州都でロシア南部に位置し、カスピ海に注ぐヴォルガ川のデルタ地帯にある都市です。アストラハンは主にステップ気候で乾燥しています。夏はとても暑くなり、冬は涼しいのが特徴です。
魚と野菜が食の中心で、特にチョウザメや、その卵であるキャビアは世界的にも有名です。アストラハン産のスイカやメロンは、ロシア国内で最も甘くおいしいと評判です。また、ロシア風の軽めのパイ、いわゆる「生地を流し込んで焼くパイ」も人気で、今日はその一つのレシピをご紹介します。
ロシアでは、プレーンヨーグルトはもちろん、フルーツやベリーが入った甘いヨーグルトも人気があり、朝食やヘルシーなデザートとして食べています。プレーンヨーグルトは料理でも重宝しています。サラダや、ロシアの伝統的な野菜冷製スープ「オクローシカ」に加えることもあります。
見た目も華やかでありながら手軽に作れる、ボリュームのある家庭料理です。ヨーグルトを使った生地に、青ねぎとゆで卵の具材が詰まっています。ロシアでは、このような生地は発酵乳の一種であるケフィアで作ることが多いですが、ヨーグルトで作ると、よりふんわりとした仕上がりになります。通常は「ポロネギ」と呼ばれる西洋ねぎを使いますが、今回は日本で手に入りやすい青ねぎを使いました。ロシア中部の寒冷な地域ではイーストを使った生地のパイが一般的ですが、アストラハンではベーキングソーダ(重曹)を使った、より軽いタイプのパイが好まれています。
明治ブルガリアヨーグルト
LB81プレーン
400g
バター
160g
砂糖
大さじ2
塩
小さじ1/2
卵
2個
強力粉
280g
ベーキングソーダ(重曹)
小さじ1
水
15〜20ml
青ねぎ
2束(200g)
ゆで卵
2個
塩
適量
こしょう
適量
具材の準備をする。青ねぎを1cmほどに刻む。鍋にバター(分量外)を入れて熱し、青ねぎを入れてしんなりしてかさが減るまで軽く温める。塩とこしょうで味付けをし、角切りにしたゆで卵を加えて混ぜ、火を止める。
生地の準備をする。フライパンにバターを入れて弱火~中火で熱し、焦がさないように溶かしバターを作る。火からおろし、砂糖、塩、ヨーグルトを入れて混ぜ、溶き卵を加えてさらに混ぜる。
ボウルに強力粉、ベーキングソーダを入れ、2を加えてなめらかになるまでよく混ぜる。水分が少ない場合は、少しずつ様子を見ながら水を加え、生地が流れ落ちるほどの硬さにする。
型にバター(分量外)を塗り、3を型の半分より少しだけ多めに流し入れる。次に1を入れ、スプーンなどで均等に広げたら、その上から残りの3を重ねるように流し入れる。
※3を流し込む前に、型の底にごま(分量外)を敷いておくと焼き上がり時に取り出しやすい。表面にも振りかけて焼けば、香ばしさUP!
4を200℃に予熱したオーブンで35分ほど焼く。焼き上がったら、布巾などで覆って冷ます。粗熱が取れたら切り分けて召し上がれ。
たっぷりの青ねぎとゆで卵が入った塩気のある食事パイで、ヨーグルトを入れることでしっとりとした食感です。焼き立てはもちろんのこと、冷めてもおいしくいただけます。これからの過ごしやすい時期、ベランダやピクニックなど、爽やかな風を感じながら楽しむのも良さそうです。
(by記者)
ユーリアさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!