ヨーグルトでめぐる世界の食卓

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多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理とヨーグルトにまつわるお話を紹介していただきます!

第15回目はウズベキスタン共和国。旧ソ連の中央アジアに位置する国です。かつてはシルクロードの交差点でもあり、東西の様々な文化が交易を通じて交わりました。今回は、ウズベキスタンの都市、サマルカンド出身のアブドラヴァさんにヨーグルトを使った料理を教わります。

今回の案内人

ウズベキスタン共和国出身
アブドラヴァ ディラフルズホンさん[Mrs. Abdullaeva Dilafruzkhon]

英語料理教室『Niki’s Kitchen』のウズベキスタン料理講師。踊ることが趣味で、結婚式や誕生日会など人が集まると踊るそう。

来日したきっかけを教えてください。

ウズベキスタンの大学で日本語を勉強していました。何かを伝えるという事が好きなので、日本人観光客向けに、ウズベキスタンの世界遺産を案内するというガイドの仕事もしていました。後に東北の大学に留学をすることになり、それがきっかけで今の主人と出会い、現在は東神奈川で日本人に母国の料理を伝えています。

ウズベキスタンの食文化を教えてください。

シルクロードの交差点だった国なので、東西の食文化が入り交じっています。小麦粉を生地にして伸ばすのは中央アジア発祥と言われていて、ウズベキスタンでもそのような料理が多いですね。生地を薄く伸ばすのは、どの家庭でも小さい頃から学びます。上手に生地を薄く伸ばせないと、お嫁に行けないとも言われるくらい重要な作業です(笑)。主食はナンですが、日本で一般的なものとは違い、ベーグルに近いです。牧畜や農業が盛んで、ウズベキスタンの家庭料理では、肉や野菜を多く使います。

ウズベキスタンの主要な乳製品について教えてください。

ウズベキスタンでは沢山の乳製品が食べられています。例えば、塩味の水切りヨーグルト「チャッキー(スズマ)」、ヨーグルトスープは、田舎では「チャロップ」と呼ばれ、都市に行くとハーブと野菜を入れた「アイラン」と呼ばれるものがあります。「ブリンザー」は、モッツアレラチーズのような食感の塩気のある羊乳のチーズです。「カイマック」は、牛の脂肪を固めた濃厚クリームで、ミキサーにかけてバターにします。ミルクに葉っぱを淹れて煮込む「シルチョイ」という中国茶のようなお茶もあります。

ウズベキスタンのヨーグルトについて教えてください。

ウズベキスタンの田舎では、朝早くからミルク売りが町を歩きます。「カイマ〜ック」と声を出して歩くので、それが目覚まし代わりになるんですよ。
都会にはスーパーもあります。ウズベキスタンでは、プレーンヨーグルトを「ケフィール」と呼びます。ヨーグルトは、スープのトッピングやお肉のソース、サラダなど、基本的に料理につかうことが多いですが、甘いヨーグルトもあり、フレーバーはベリー系や桑の実が入ったヨーグルトなどがあります。
また、食べ方以外では、チャッキーをつくるときに出たホエーを発酵させて、トリートメントや美容液として使ったりもします。

今回ご紹介していただく「バラック・ショルヴァ」について教えてください。

肉を餃子のような皮で包み、トマトスープの中に入れて煮込んで、最後にチャッキーを乗せて食べます。昼食に単品で食べたり、夕食にスープとして出したりと、ウズベキスタンではごく日常的な料理です。

「バラック・ショルヴァ」の作り方

材料(5〜6人分)

生地用材料

強力粉

250g

1個

小さじ1

1400cc

※生地は市販の水餃子用の皮でも代用できます。

餃子のタネ

牛挽き肉

300g

玉ねぎ

1/2個

スパイスミックス

小さじ1

(コリアンダ、クミン、コショウ)

大さじ1

スープ

パプリカ

1個

玉ねぎ

1/2個

トマト

2個

ニンニク

4個

ローリエ

1枚

大さじ2

コショウ

適量

サラダ油

70ml

1.5l

チャッキ―

ヨーグルト

450g

大さじ1/2

コショウ

適量

唐辛子

適量

バジル

適量

step.1

step.1

生地をつくる。ボウルに卵、塩、水を入れ、かき混ぜる。小麦粉を加え、さらに混ぜたら手でよくこね、常温で10~30分休ませる。

step.2

step.2

1を麺棒で薄くのばし、5cmの正方形に切っていく。

step.3

step.3

タネをつくる。ボウルに、ミンチ、みじん切りした玉ねぎ、スパイスミックス、塩を入れ、よく混ぜる。

step.4

step.4

餃子をつくる。2の皮に3のタネを少量乗せ、包んでいく。

step.5

step.5

スープをつくる。パプリカは2cm角切り、玉ねぎは薄切り、トマトは皮をむいてざく切り、ニンニクはみじん切りにする。

step.6

step.6

鍋にサラダ油を敷き、玉ねぎとニンニクを入れ、中火でよく炒める。そこへパプリカを加え、よく炒める。最後にトマトを加え、全体的にオレンジ色になるまで炒め、水とローリエを入れ、沸騰させる。

step.7

step.7

沸騰しているスープに4を入れ、餃子がスープの上に浮き出てくるまで煮込む。

step.8

step.8

チャッキ―をつくる。水切りしたヨーグルトに塩、コショウ、唐辛子を入れ、混ぜる。

step.9

step.9

7をお皿に盛り付け、バジルとチャッキ―をお好みの分量トッピングして、完成。

バラック・ショルヴァの感想

バラック・ショルヴァ

トマトスープにヨーグルトを投入する料理は初めての体験でしたが、トマトとヨーグルトの酸味が調和して、とても美味しかったです。つるんとした皮にお肉が沢山入っていて食が進みます。日本では市販のワンタンを代用しても、手軽でいいかもしれません。ぜひお試しを!(by記者)

アブドラヴァさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!

#15

ウズベキスタン共和国Republic of Uzbekistan
首都:タシケント / 通貨:スム / 言語:ウズベク語。またロシア語も広く使用されている。