ヨーグルトでめぐる世界の食卓

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多くの国々で愛されているヨーグルト。世界中の人々は、どんな風にヨーグルトを楽しんでいるのでしょう。このコーナーでは、ヨーグルトを使った正統派の料理から、リアルな家庭料理のアレンジまで、さまざまな国の方に取材。
ヨーグルト料理と母国の食文化、乳製品についてお聞きします!

第24回目はチュニジア。アフリカの最北端、地中海を挟みイタリアの対岸に位置する国です。今回は首都チュニス出身のフダ・セラミさんに、ヨーグルトを使ったお菓子を教わりました。

今回の案内人

チュニジア
フダ・セラミさん[Ms.Houda Sellami]
Niki’s Kitchen英語料理教室のチュニジア料理講師

文章を書くことが好きで、時々アラビアの雑誌に寄稿しています。

来日したきっかけを教えてください。

夫が昔から日本が好きで、日本に留学していました。私もアラブやヨーロッパとは違う、日本の文化にとても興味があったので、チュニジアで結婚した後、日本に一緒に住むことになりました。

チュニジアの気候や食文化を教えてください。

私が生まれた首都・チュニスは、温暖な地中海性気候です。歴史的にイスラムやフランスとの関わりが強く、地理的にはイタリア半島に近いことから、チュニジアの料理はアラブやヨーロッパが融合した地中海料理です。

チュニジアの主要な乳製品について教えてください。

乳製品は、よく食卓に登場します。朝は牛乳をよく飲み、ヨーグルトとチーズも同時によく食べます。チュニジアではおいしいチーズを大量に生産していて、特にカマンベールやリコッタチーズの自国製品が高く評価されています。「lben」や「rayeb」という発酵乳も生産しています。

チュニジアのヨーグルトについて教えてください。

自宅で作る家庭が多いです。朝食やおやつ(主にドリンクタイプのヨーグルト)、ピザやパン、バスブーサ、タルト、スープなど料理にも多く使用します。スーパーマーケットに置いてあるフレーバーは、プレーンのほか、バナナやイチゴなどのフルーツ味、はちみつやチョコレートなどがあります。

今回ご紹介していただく「バスブーサ」について教えてください。

「バスブーサ(Basboussa)」は、デュラムセムリナ粉で作るアラビアの伝統的なお菓子です。ラマダン(断食)の直前に食べる食事を「スフール」と呼び、そのときに食べます。それ以外、日常でも来客があった時など、バスブーサをお客様に出してコーヒーと一緒にいただきます。今回は卵の代わりにヨーグルトを使用したレシピで、卵を使ったものよりも柔らかく、卵アレルギーがある人にも好まれるケーキです。

「バスブーサ」の作り方

材料 26cm×32cmの型

  • 明治ブルガリアヨーグルト
    LB81プレーン

    180g

  • 細かいセモリナ粉

    3カップ(540ml)

  • 粗いセモリナ粉

    3カップ(540ml)

  • ※無ければ全て粗い方で揃える

  • ベーキングパウダー

    小さじ1/2

  • 砂糖

    3カップ(540ml)

  • ローズウォーター

    120ml

  • バター(食塩不使用)
    又は
    サンフラワーオイル

    1カップ(180ml)

  • アーモンドエッセンス

    小さじ2

  • サラダ油(分量外)

    適量

  • 6カップ(1080ml)

  • 砂糖

    4カップ(720ml)

  • お好みのナッツ

    適量

  • step.1

    オーブンを180度で予熱しておく。

  • step.2

    セモリナ粉、ベーキングパウダー、砂糖を混ぜたところに、ローズウォーター、ヨーグルト、バター、アーモンドエッセンスを加える。全体が完全に混ざりきるまでしっかり混ぜる。

  • step.3

    サラダ油を塗ったパイ用の型に生地を入れて、平らになるよう調整する(高さ2cm程が望ましい)。ナイフで、ダイヤモンドやスクエアデザインにカットする。

  • step.4

    3の上にナッツ類を飾ったら15分程生地を休める。

  • step.5

    4を予熱したオーブンで30~40分程度、黄金色になるまで焼く(焦げそうな場合は上にアルミホイルなどをのせる)。

  • step.6

    水と砂糖を混ぜ、沸騰するまで鍋に入れてシロップを作る。全体的にトロっとするまで温めたら火からおろして冷ましておく。

  • step.7

    5が焼けたらもう一度切り目にナイフを入れてから、6を5の上に注いで、4〜6時間おいておき、シロップを生地に吸い込ませる。

  • ポイント

    食べる前にもう一度温めると更に美味しくいただけます。

バスブーサの感想

バスブーサ

ローズウォーターをたっぷり染みこませたケーキなので、口に入れると、ふんわりとバラの香りがしてとても癒されました。シロップをたっぷり使っているので甘く満足感があり、腹持ちします。一度にたくさん作れるので、ホームパーティのときなど大人数を呼ぶときに重宝しそうです。
(by記者)

フダさん、ありがとうございました!
世界のヨーグルト料理、次回もお楽しみに!

#24

チュニジア共和国 Republic of Tunisia
首都:チュニス / 通貨:チュニジア・ディナール(TND) / 言語:アラビア語、フランス語